唯一無二の音楽性と圧倒的なカリスマ性でロック界に君臨し続けるプリンスが、1987年の2枚組アルバム『サイン・オブ・ザ・タイムズ』(グラミー賞ALBUM OF THE YEARにノミネート)のリリースにあわせて行ったヨーロッパツアーを中心に撮影された史上最高のライブフィルム!プリンスにとっては『プリンス/パープル・レイン』『プリンス アンダー・ザ・チェリー・ムーン』に続く3作目の劇場映画で、自ら監督を務めた。ポップでエロティックで演劇的な要素を持ったプリンスの絶頂期のパフォーマンスが余すところなくとらえられ、シーラ・Eの強烈なドラムやセクシー・ダンサー、キャットのパフォーマンス等最強のバック・メンバーも多彩でライブを盛り上げている。また、当時恋人と噂されていたシーナ・イーストンも1曲だけ幻想的に出演。

撮影は、1987年5月のストックホルム公演からスタートした「サイン・オブ・ザ・タイムズ・ツアー」のオランダ・ロッテルダムと、ベルギー・アントワープの公演で行われ、その後、プリンスのペイズリーパーク・スタジオで追加収録された。当ツアーがヨーロッパツアーのみで来日は果たされなかった為、89年の日本公開時には劇場に数多くのプリンスファンが殺到した。監督のプリンスは、単純なライブフィルムを作るのではなく、冒頭と途中にダンサーやプリンス自身による芝居を取り入れる事で、アルバムで展開していた世界観を更に掘り下げている。また、サウンドトラックのミックスはシーラ・Eが担当した。

 
 
  
  
  
    
      

前作となる、映画『プリンス アンダー・ザ・チェリー・ムーン』の商業的な失敗、並びにそのサントラとして位置付けられたアルバム『パレード』の販売不振の後、自身のバンドである「ザ・レヴォリューション」を解散させ、2枚組全16曲、トータルタイム80分というボリュームを作詞・作曲・演奏・プロデュースをほとんど全てプリンス一人で行っているという驚異のアルバム。『パレード』からちょうど1年後に発売されたが、結果的にはセールスも振るわず、その後プリンスは『ブラック・アルバム』という強烈なファンクアルバムを制作するも発売の1週間前に突如発売中止、方向性の異なる『LOVESEXY』をリリースした。だが、この『サイン・オブ・ザ・タイムズ』は数多いプリンスのアルバムの中でもファンの人気も特に高く、ロック、ファンク、ソウル、R&B、その他あらゆるポップ・ミュージックを、独自の解釈で見事に昇華させた、正に不朽の名作と言える作品である。このアルバムが1988年第30回グラミー賞ALBUM OF THE YEARにノミネートされ、本命視されていたものの惜しくも受賞を逃した(受賞はU2『ヨシュア・トゥリー』)後のインタビューで、「何てことはない、だって僕でも彼等の曲は演奏できるけど、彼らにはHousequake(アルバム収録の楽曲)は作れないだろ?」とプリンスが発言したというのは有名なエピソード。
 このアルバムが発売される迄には紆余曲折あり、前作『パレード』 発表後、プリンスは自身のバンド「ザ・レヴォリューション」と共に多くの曲をレコーディング、それらは『ドリーム・ファクトリー』というタイトルの2枚組アルバムとしてリリースされる予定だったが、このアルバムの制作を放棄、そして、今度は「カミール」というプリンスの別名義でのアルバム制作を始めるも、これも途中で制作を断念。更にその次には、それらの楽曲をまとめた3枚組のアルバム『クリスタル・ボール』を制作するも、「ザ・レヴォリューション」を1986年9月の「パレード・ツアー」最終公演となる日本公演(横浜スタジアム)を最後に解散させ、また当時のワーナー・ミュージックが3枚組アルバムという規模に大きな難色を示した為、この企画もまた消滅した。そうして出来上がった膨大な楽曲群を再びプリンス自身が独りで録り直し、新たに新曲を加えまとめ上げたのが、自身のキャリアでも『1999』以来の久し振りの2枚組となったアルバム『サイン・オブ・ザ・タイムズ』である。

    
     
      
       

映画は1987年5月8日のストックホルム公演からスタートした「サイン・オブ・ザ・タイムズ・ツアー」の6月26日~28日オランダ・ロッテルダムと、最終公演となった6月29日ベルギー・アントワープの公演で撮影され、追加シーンはその後、ミネソタにあるプリンスのペイズリーパーク・スタジオで収録された。当ツアーがヨーロッパ・ツアーのみで来日は果たされなかった為、89年2月の日本公開時には劇場に数多くのプリンスファンが殺到した。
当初プリンスはこの映画の製作を予定していなかったが、ツアー開始早々からその音楽とパフォーマンス、更にはパーフェクトに計算されて作り上げたステージが絶賛されたため、急遽映画製作を企画し撮影機材が運び込まれ撮影されたという。
監督にはプリンス自身が当たり、単純なライヴ・フィルムではなく、冒頭と途中にダンサーやプリンス自身による寸劇を取り入れる事で、アルバムで展開していた世界観を更に掘り下げている。また、サウンドトラックのミックスはシーラ・Eが担当した。
80年代を驚異的な速度で駆け抜けていき、同い年のマイケル・ジャクソン、マドンナと並び正に時代の寵児となったプリンスの代表的なアルバムを、商業的な金字塔を打ち立てた「パープル・レイン」と、音楽的な金字塔となった「サイン・オブ・ザ・タイムズ」だとすれば、この映画は正にプリンスの音楽的昇華の瞬間をとらえた貴重な作品であると言えるだろう。

  
 
    
      


アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリス出身。本名はプリンス・ロジャー・ネルソン。78年『FOR YOU』でデビュー。6作目にあたる自伝的映画のサントラ『PURPLE RAIN』で世界的にブレイク。ポップ・チャート24週連続1位、アメリカ国内だけで1300万枚というセールスを打ち立てる。これまでに12作品のプラチナアルバムと、30曲のトップ40シングルを生み出し、アルバム・シングルの総売り上げは、1億2,000万枚に上る。「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も過小評価されている25人のギタリスト」(2007)第1位、「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」(2007)第30位、「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」(2007)第27位、「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」(2011)第33位、「Q誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」第61位にそれぞれ選ばれている。92年に突如、発音不能のシンボル・マークをアーティスト名に冠し、ファンを困惑させるものの、2001年、プリンス再改名後初のアルバム『THE RAINBOW CHILDREN』を発表。2004年にリリースしたアルバム『ミュージコロジー』は全米ビルボード最高位3位を獲得し、音楽シーン最高峰のアーティスト・ステイタスを顕示した。


01.サイン・オブ・ザ・タイムズ
02.プレイ・イン・ザ・サンシャイン
03.リトル・レッド・コルベット
04.ハウスクウェイク
05.スロウ・ラヴ
06.プレイス・オブ・ユア・マン
07.ホット・シング
08.ナウズ・ザ・タイム(インストゥルメンタル)
09.ユー・ガット・ザ・ルック
10.イフ・アイ・ウォズ・ユア・ガールフレンド
11.フォーエヴァー・イン・マイ・ライフ
12.ビューティフル・ナイト
13.ザ・クロス


監督: プリンス

製作: ロバート・カヴァロ(『プリンス/パープル・レイン』『12モンキーズ』)、

ジョゼフ・ラファロ、スティーヴン・ファーグノリ

撮影: ピーター・シンクレア

編集: ポール・カイヤット

出演: プリンス(vo,g)/シーラ・E(ds,vo)/Dr.フィンク(key)

ミコ・ウィーバー(g)/レヴィ・シーサー・Jr.(b)

エリック・リーズ(sax)/アトランタ・ブリス(tp)

ウォーリー・サッフォード(back vo)

グレゴリー・アレン・ブルックス(back vo)

ボニー・ボイヤー(key,vo)/キャット(dance,vo)

シーナ・イーストン(vo) [特別出演]


1987年/84分/アメリカ/ビスタサイズ/BD上映/5.1ch(一部劇場を除く)/

配給:日販/提供:是空+ハピネット/宣伝:ビーズインターナショナル

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